みんな一人ぼっち

訓練はたった3ヶ月というのは分かっとったが、いざその終点が目前に迫ると色々と感慨深いものがある。
通所手当が出んのが分かって延々と歩かなあかんのが少々鬱陶しく思えた時もあるにはあったが、今はこの道を歩いて通うのもあと僅かと考えると一歩一歩前に足を出すのも辛くなってくる。訓練校を出た生徒達は大抵がすぐ近くの駅に向かう。その駅の少し山手にも並行して走る他社線の駅があるので、訓練校を出た瞬間に鷲は一人ぼっちになってしまう。

でもそういうものかもしれない。
元々社交的なタイプではないから、小中学校の時の知人とは会うこと全く無いし、大学の時や前々職場の人とも会うこと無い。高校の時の同回生の子や前職場の人も殆ど会えてない。普段の交流はジョイトイさんオンリーやわ。
折角打ち解けあった訓練校の仲間とも修了したら、生活圏が同じな人とバッタリ出会うことがあっても、わざわざ会うことがあるかどうか・・・。

鷲の後ろに座っているM岡さんが、都合により今日が最終登校日になるかもしれない(みんなには伏せている)、とのことで挨拶をした。M岡さんには色々とアドバイスや叱咤激励を頂いてお世話になった。最初の席は3列席の一番壁際で、隣のI岡さんは通路側のM岡さんと喋っていて鷲はポツネンとしとった。とある昼休みにM岡さんと喋ったんが、訓練生との初会話やった。そこから、I岡さんやH口さん、Y根さんらと喋りだすようになっていった。彼女がいなければ訓練校生活は寂しいものになっていたと思う。

小見出しはリタ・クーリッジの“We're all alone"の邦題。