初堂山

やがて、イカニモな人がちらつくゾーンに入った。鷲は頭が目に飛び込んでくる情報に追いついてなかったので、Ina氏が「向こうからくる二人連れもそうやで」「あーそうですか」言うのが精一杯。目指していた外専バー前に着いたが、客が少ないということで暫くブラついてから入ることにした。扇町公園へ。ハッテン場らしいが、人の気配すらなかった。というか鷲にはそんなことどうでもええ話だが。折り返しで堂山に戻った。往生悪くさらにブラついてからようやく入店。客一人いたが、すぐに帰ってしまった。鷲は緊張してガチガチになりながら、何をしゃべっていいか分からず、ただ店のビデオを見て時々Ina氏と二言三言会話交わしていた。代わりにマスターとIna氏が会話。I「この子今まで活動してなかった。今日が初堂山。」とか何とか。マ「英語できる?」鷲「全然できません」マ「厳しいね。あんまり向こうの人日本語話そうとしないからね」鷲「(確かにそうですな)」。そうこうしとると、一人外国人客が入ってサーッと飲んで帰っていった。飲み屋は基本はそうらしい。行き付けのバーは朝までおること多くてそれに慣れとったから早っと思た。おってもしゃあないので店出た。かなり期待しとったから拍子抜けした。I「こんなもんやで」。それからまた扇町公園へ。Ina氏から色々言われたが、要約すると、「貞操観念が明治時代の人見たいや(古い)」「自分を変えていく努力せんししようとも思わんのに相手欲しいてどういうこと?」・・・。24時間営業の服屋で服を買うて貰たがMAXに眠くてわけわからず歩いていた。地下街に下りる階段のシャッター前で早速服を着替えさせられた。Ina氏は鷲の為に大きな投資をしてくれていて、似合う服を買うてくれたんやろけど、鷲は若い子が着るような服が恥ずかしいて正直嫌やった。2軒目に入った。座るなり「あらー勉強できそうねぇ。東大生に見えるわ」「おとなしいねぇ」1軒目のマスターも似た事言うてたな。それにしてもようしゃべる人やった。「好みのタイプは?かわいい系?かっこいい系?」「両方を兼ね備えた人がいいです」「まあ恐ろし。私をくどきにきたのね」こんな感じ。楽しいといえばそうなんかもしれんが、鷲にはそのノリは合わんわ。大人しい東大生だか京大生だかキャラのまま朝になり店を出た。結局身構えていた事態にならないどころか、出会いを求めてきたはずが社会見学止まりやった。